「気取らない」地域に愛される弁護士

2018年02月19日

  鎌倉総合法律事務所  代表  久保 豊

 

鎌倉由比ガ浜海岸から鶴岡八幡宮へ歩いていく参道、若宮大路の裏路地にある「鎌倉総合法律事務所」に訪問しました。古民家をリノベーションした事務所の雰囲気やスタッフの方の心ある接客から、法律事務所という事を忘れてしまうほど居心地の良い環境に驚いていると、久保代表が登場。旅行代理店、IT企業を経て弁護士になられたというキャリアからか、弁護士という肩書きからは想像もできない程気さくで接しやすい。湘南workerhistoryvol.7は、そんな鎌倉総合法律事務所の久保代表のストーリーに迫ります。


-キャリアをさかのぼりますと、もともと旅行会社にお勤めの時期もあったそうですね?

 

大学生の時に長野県の菅平高原というところでスキーのインストラクターをやっていて大学にもあまり行ってない生活をしていました。大学四年生の時は、大企業に入りたい一心で就職活動している人たちを見て「こんな風になりたくない」と思い、一切就職活動をしませんでした。それでワーキングホリデーでオーストラリアに行き、現地の旅行会社で働いて旅行業に携わったという感じです。



 

-弁護士になろうと思ったきっかけは?

 

 25才で旅行会社に就職して28才の時に盛岡に赴任していたのですが、スキースクールの先輩が安比高原に滑りに行くと言って遊びに来ていました。その時に「司法試験を受けてみたらどうだ?」と、勧められたのがきっかけです。法学部出身でもなく、もともと法律の世界に興味があった訳でもなかったのですが、色々なタイミングが重なり挑戦してみようという気持ちになりました。物事に対して死に物狂いで頑張るという経験がなかったので、30歳になる前に1回ぐらい何かに本気で取り組むのはいいかなと思い、だったら日本で一番難しいといわれる試験を目指してみようかなと。

-それからは血のにじむような努力をされたのですね。

 

毎日死ぬほど頑張るタイプもいると思うのですが、僕は勉強に関してもサラリーマンタイプでしたね。仕事を辞めて勉強を始めたので、オンオフがはっきりしていました。長期の取り組みなのであまり無理せずペースを守ってやろうと思っていたので、土日は休みにしていました。ただ、月から金は1日10時間しっかりやり、そこで処理しきれないものは土曜日を予備日にしていました。



 

-久保さんのように社会で色々な経験をしたうえで弁護士になられた方の強みというものもあると思いますか?

 

あると思います。最初に入った旅行会社は社員150人くらいの会社で、中小企業の意思決定の動きなどが学べました。次に社員2000人規模のIT系会社で働くことになるのですが、広報に入ったこともあり、大企業の組織全体を把握することができた。MAもやっている時期だったので、会社の方針を外部だけでなく社員に伝える為の広報ノウハウや大企業特有の意思決定を体験出来たのは大きかったと思います。以前いた事務所では一部上場企業が顧問先であったので、法務部でやりとりして最終的に役員が意思決定するというところで、どういうパワーバランスで社内が動いているかイメージが沸くんです。それは弁護士だけやっていては分からない部分だったと思いますね。

 

-鎌倉に来られたきっかけは?なぜ鎌倉で独立をされたのでしょうか?

 

当時は関内に住んでいたので、資格を取ってから横浜の事務所に勤務する事になるのですが、もともと地方出身という事もあり緑を見ることがない環境が嫌で、鎌倉に引っ越しました。そこから様々な人との出会いや鎌倉という地域の魅力に惹かれ、鎌倉で開業しました。




-鎌倉に来てからは順風満帆でしたか?

 

何もない状態から鎌倉で事業をスタートしたのですが、前事務所で僕が担当していた不動産案件がたまたま湘南の地域が多くて、そういう人たちが独立した時についてきてくれました。前事務所のご理解もあって、そういったご縁のある方を引き続き担当することが出来ました。あとはCOCO-HOUSEさんとの出会いが大きかった。事務所の物件の仲介を担当いただいたのですが、契約の際、契約書の書式が気になって「ちょっとこの文言、変ですね」とつい一言口にしてしまったんです。嫌なお客ですよね(笑)ただ、その時対応してくださった西本社長が、嫌な顔一つせずに受け止めてくれて。そこから、「じゃあ今後何かあったら相談していいですか?」と言ってくださり関係が深くなりました。西本社長からこの地域のことを色々教えていただき、そこから広まっていったという実感がありますね。

 

-地元のつながりを持つ為に何か意識的に参加されたり活動されたりするのですか?

 

意外かもしれませんが、そういうのは得意じゃないんです。ただ、面白いなと思ったのは、鎌倉で仲良くしている飲食店の店主さんがいらっしゃるのですが、そのお店の常連さんがお客さんになる事が多い。鎌倉にお住まいで、お勤め先、顧問先は東京だけど鎌倉で相談出来たらいいなと。東京の先生もいいけど、もうちょっと気軽に話せたらいいなという流れで。

 

-飲みに行かれるのがお好きですか?

 

それが全然行きません(笑)呼ばれたから行くという感じで、行った時にたまたま。

 

-無理のない広げられ方をされている印象を受けますが、そういうビジョンをお持ちなのですか?

 

仕事を取るために顔を売るみたいなのは好きじゃないので。仕事が欲しくて名刺渡して近づいてきているなって感じる時あるじゃないですか。そういうことはしたくない。自然に、ご縁があればつながると思っています。

 

-今後のビジョンはありますか?

 

葉山や江ノ島に支店を出せたらと思っています。どの場所もリゾート感がありますよね。法律事務所で硬い弁護士がいて難しい話をされるよりも、こういう古民家や、江の島が綺麗に見える場所だとお客様も気軽に相談できる。権威づけたものはあまり好きじゃないので、リゾート感のある場所や落ち着ける空間での展開はお客様目線で考えても重要だと思っています。

 


-事務所の雰囲気や久保さんの接しやすさは、弁護士という概念をいい意味で覆している印象を受けます。業界の在り方を変えたいという思いもお持ちなのですか?

 

業界の在り方を変えたいとまでは正直思ってないですが、僕自身があまり皆さんが持っているイメージの“弁護士”にはなりたくないな、つまり、権威的な存在にはなりたくないなとは思っています。


 

-町にいる相談屋さんというか、その土地にいなきゃいけないという、ふらっと行って相談できるところの役割を担われているのでしょうか?

 

わざわざ法律事務所に来られて相談する内容って話しやすいものばかりではないじゃないですか。やっぱり悩みや言いにくいことをお話しするケースの方が多いので、そういった意味ではいたずらに緊張させてしまうよりも、リラックスできる空間で話しやすい雰囲気を作ることが大切だと思っています。



 

-弁護士という仕事のやりがいはなんですか?

 

単純に、自分が担当した仕事でお客様に感謝してもらえた瞬間は、やっていて良かったなと思いますね。一回目の相談では、解決するわけではなく方向性をお話しするだけだけど、「安心した」「来てよかった」といって帰ってもらえる時があるので、そういう時はよかったなぁと思います。知的好奇心という意味では、レアなケースではどう解決したらよいか考えることに面白みがあるかなと思います。この仕事って終わりがないんですよ。経験した事の無い業界から相談を受ければ、その業界の事を知るところから始めることもあるので、時間も手間もかかります。ただ、お客様の悩みを解決する為には何でも知らなきゃダメだと思うし、日々自分を高めて行く必要がある。そういう意味では飽きないし終わりがないですね。                 





久保 豊
[経歴]

1997年 3月  筑波大学第2学群比較文化学類 卒業

          旅行会社、東証一部上場IT企業に勤務

2006年11月  司法試験合格

2008年 9月  弁護士登録(神奈川県弁護士会)

2008年 9月  立川・及川法律事務所に入所

2014年12月  立川・及川法律事務所を退所

2014年12月  鎌倉総合法律事務所を開設

[著書・論文]

・地震災害における不動産法務(共著・「神奈川県弁護士会専門実務研究」)

・事業用ビルの賃貸借における法的対処と契約書式集(共著・綜合ユニコム)

・居住用建物賃貸借契約の書式と実務(共著・学陽書房)

[所属団体・役職]

・神奈川県弁護士会 不動産法研究会

・神奈川県弁護士会 家族法研究会

・神奈川県弁護士会 住宅・建設紛争対策委員会

・境界問題相談センターかながわ 相談員

鎌倉総合法律事務所
248-0006 神奈川県鎌倉市小町2丁目13 小町2丁目1322

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