外資系金融マンから、湘南の暮らし・ライフスタイルを提案する起業家に!
(エンジョイワークス 福田和則さん)

photo  by 幡野広志 text by 森田大理
 
鎌倉駅から8分ほど歩くと、歴史を感じさせる民家や商店がありながらも、若者に人気のカフェやショップも建ち並ぶ、由比ガ浜エリアにたどり着きます。鎌倉が持つ新・旧の良さが絶妙に混在するこの由比ガ浜にオフィスを構えるのが、株式会社エンジョイワークスです。同社は、湘南エリアに特化した不動産仲介業を中心にリノベーションや新築住宅の設計など暮らしに関わる様々な事業を展開しつつ、カフェを併設する複合スペースや、シェアオフィスの運営、各種イベントの開催などにもビジネスの輪を広げており、着実に地域での存在感を増している企業と言えるでしょう。
そんな同社を牽引しているのが代表取締役の福田和則さん。兵庫県出身だという福田さんは、どのような経緯で湘南にたどり着き、事業をはじめられたのでしょうか。創業のストーリーや、事業ビジョン、湘南への想いなどを伺いました。
 

 

元外資系金融機関のサラリーマン。子育てを視野に葉山へ移住。

 
大学を卒業してからは、東京の外資系金融機関で働いていました。サラリーマン生活は約 10年。信託銀行、証券会社、銀行と転職はしましたが、一貫して金融の道を歩んでいます。もともといつかは自分で事業を興したいと考えていたので、金融機関を選んだのも、幅広くお金のことを知りたいと思ったからなんです。今の事業も、その当時様々な角度から不動産と関わっていたことがきっかけになっています。
 
一番印象に残っているのは、富裕層のお客様を相手にする「プライベートバンキング」という仕事。必然的に企業の経営者やスポーツ選手、ミュージシャンなど、各界で成功されている方を担当するのですが、みなさんのご要望はとにかく桁違いでした。「ハワイに別荘が欲しい」「ニューヨークのマンションを買いたい」といったご相談はまだ想定内で、ときには「ヘリコプターを買いたい」、「子どもの海外留学はどこがいい?」なんてご相談も。プライベートにも関わるようなお付き合いをさせていただく中で、起業や経営の心得を学ぶことも多く、独立への志を強くさせてくれた面もありましたし、自分自身はどんな暮らしをしたいんだろうと考えることにも繋がりました。
 
サラリーマン生活の終わりごろにリーマンショックが起きたことも、都心一極集中のあり方に疑問を持った理由の一つです。それまでは、お客様のご要望がどんどん膨らんでいく感覚があって「一体どこまで行くんだろう」と思っていましたが、市場が冷え込むと様子は一変しはじめました。こうした出来事を経験するうちに、「資本主義経済の大きなうねりの一部として生きていくことが、自分にとって幸せなのだろうか」と、思いはじめたんです。
  

 

―東京から葉山へ移住されたのも、それがきっかけですか?

 
葉山での暮らしを選んだのは、結婚して子どもが生まれる少し前あたりの時期です。それまでは東京の学芸大学に住んでいたのですが、僕が夜遅くに帰宅していると、塾帰りの子ども達が歩いている様子をいつも見ていました。それが悪い訳ではないのですが、自分の子どもは「塾に行くのが当たり前」という価値観で育てるのではなく、他の選択肢もポジティブに選べるような環境で育てたいと思ったのがきっかけです。ただ、うちの娘は今、夜遅くまで塾に通う生活を選んじゃいましたけどね(笑)。
 
もともと海が好きだったので、湘南にはサーフィンなどで訪れていましたし、友人を介して地域の方とも知り合えていました。湘南は東京に比べて地域でつながりやすい土地柄ですよね。大人同士・子ども同士はもちろん、よその家の子どもにも気さくに親身になってくれるあたたかさがあるなと思って、移住を決め葉山に家を建てました。
 
でも、移住したのはサラリーマン時代のことなんですよ。当時はマーケットが動き出す時間に備えて朝早くに出勤し、夜はお客様とのお付き合いで銀座の街を飲み歩くのが日常でしたから、同僚たちには「なんでわざわざ遠くに引っ越すの?」とあまり理解されませんでした。すでにその頃から、価値観のズレが生じはじめていたのかもしれません。自分や家族がどう生きたいかを考えたときに、東京という選択肢ではなくなってきたのだと思います。
 
 

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2017.0929(FRI) vol.1